A,学部主事の仕事は「マネージメント業&何でも屋」です!
「○○先生、4月から学部主事をお願いします」
校長先生からこのような打診があった方もちらほらいらっしゃるのではないでしょうか?
「・・はい。がんばります」と一旦引き受けたのは良いものの、学部主事という仕事は何をするものなのかよくわからない方も多いことでしょう。
私は学部主事を2年間務めています。
学部主事として大切にしてきたことをまとめて実践論文も書いています。
学部主事という仕事にはかなりの思い入れがあります。
この記事では学部主事の仕事内容、大切にしたいこと、具体的に私が取り組んだことをお伝えします。
これから学部主事になる方、すでに学部主事として活躍している方、学部主事という仕事に興味のある方ぜひご覧ください。
そもそも学部主事とは?
聞きなれない学部主事という言葉。
法律には次のように書いています。
特別支援学校には、各部に主事を置くことができる。
主事は、その部に属する教諭等をもつて、これに充てる。校長の監督を受け、部に関する校務をつかさどる。
学校教育法施行規則第百二十五条
大事な点は2つ
・特別支援学校に限ったものであること
・部に関する校務をつかさどること
特別支援学校は小学部・中学部・高等部のように3学部が一つの学校に存在していることがあります。(高等部のみの特別支援学校も比較的よくあります)
特別支援学校の小学部や中学部といった各部に主事という職を担う人を配置できるということです。
私が知る限り、学部主事は各学部に一人です。
地域の小学校や中学校にはこのような学部主事という職はありません。
校務とは何か?
学部主事は「部に関する校務をつかさどる」とありますが、校務とは何でしょうか?
「校務」とは、学校の仕事全体を指すものであり、学校の仕事全体とは、学校がその目的である教育事業を遂行するため必要とされるすべての仕事
文部科学省HPより
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/041/siryo/attach/1417145.htm
・・・学校の仕事すべてです。(すべてって・・・)
学部主事は部に関するすべての仕事をつかさどる(職務として行う、管理する)わけです。
つまり、何でも屋ですね。具体的には次のような仕事があります。(学校によって多少違いはあると思います。)
- 学部運営計画の作成、評価、見直し
- 学部会の進行
- 学部職員のメンタルケア
- 教育相談や来校者の対応窓口
- 各学部主事との連絡調整
- 教頭、副校長、校長といった管理職との調整業務
- 入学選考検査のまとめ役(高等部のみ)
などなど。あげればまだまだあります。
学部主事として大切にしたいこと
様々な役割がある学部主事ですが、様々な仕事がありすぎて何をしているのかよくわからないといった現場の声も聞きます。ひどい場合は「何もしていない」といった声も聞かれます。
抜け落ちてしまうことが多い学部主事の一つに、学部マネジメントがあると考えています。学部運営に関する点です。
ここでいう学部マネジメントとは、学部として目標をたて、その目標に向かって学部というチームで教育活動に取り組んでいくために、所属する教員をサポートしたり、育成したり、進捗状況をその都度確認、取り組みを修正したりすることです。
この学部マネジメントという視点が足りない、もしくは全くない学部主事の先生もいらっしゃるのを見てきました。
学部マネジメントという視点はあるのだけれどうまく発信できていない方や、突っ走りすぎる方もいらっしゃいました。
マネジメントは管理職(教頭・副校長・校長)の仕事だと思っている先生方が多いのも事実ですが、学部主事や学年主任には最低限のマネジメント能力が必要になると考えています。
学部をマネジメントするという視点は学部主事が大切にしたいことです。
私が学部主事として取り組んでいること
学部マネジメントを意識して私が実践していることをお伝えします。(ただし学校規模によっては実現が難しいこともあります)
①どの職員とも1日に必ずコミュニケーションをとる
②自分が今どのような仕事しているか、何に困っているかをオープンにする
③定期的に1on1ミーティングを実施する
④学部会で2ヶ月に一回は学部の目標について発信する
⑤保護者に先生方の良い点を学部通信や直接伝える
⑥Google chatを活用して情報共有を素早く行う
①と②は、「ザイオンス効果」(参考:ザイオンス効果)や「ジョハリの窓」(参考:ジョハリの窓)といった心理的な面からも、学部職員との信頼関係を築く際の土台となります。
①、②は今日から実践できます。ぜひ試してみてください。性格的に「私には難しいな〜」と思っている方、安心してください。職員同士の会話ににこやかに相槌を打つだけでも効果ありです!
③と④は私が小規模の学校で勤務しているからできていることかもしれません。2ヶ月に一回のペースで学部に所属する先生方と1対1で対話します。内容は先生の話したいことを聞いたり、学級や分掌の様子などをこちらから質問するといったものです。最初はあまり話してくれない先生でも、①と②の取り組みと合わせて実施することで円滑に話が進むようになります。
先生方を深く理解したり、先生方の強みなどを再認識したりする良い機会になります。
⑤、⑥は多忙化する教員の仕事を効率化するのには必須です。
「えっ?通信?仕事増えているじゃないか」
そう思ったあなた!・・・その通りです。ですが結果として通信を出すことは仕事を減らすことになります。
通信で先生方の良い取り組みや子どもの頑張っている様子、お堅い教育動向などを発信することによって、保護者の方とのコミュニケーションの土台が自然とできあがります。また、いわゆるクレームの中には、「聞いてなかった、知らなかった」というものも多いので先打ちしておくという意味合いもあります。
文章はできる限り柔らかく書くことをおすすめします。
⑥については、先生方から受けた報告、活動場所の変更や子どもの状況などをgoogle chatに打ち込んで学部職員ですぐに共有できるようにします。
文字で残すことによって後からいつどこで何があったかという記録にもなります。⑥の取り組みを続けることで年間20時間程度の時間短縮に繋がっていると思います。(情報共有の会議を減らせるからです)
終わりに
学部主事の仕事について書いてきました。どうですか?イメージがつかめましたか?
学部主事は楽しい仕事ですよ⭐️
マネージメントの意識だけは忘れないでね!
もつ焼き先生の兄弟noteにも学部主事の仕事を書いているのでそちらも読んでくださいね!
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